今週のハンドメイドは、イタリアはナポリの若手テーラーが作ったノーフォークジャケットです。

元々、狩猟用のジャケットであるノーフォークジャケットは、機能的なディテールが数多く施されています。
バックベルト・アクションプリーツ・プリーツ入りポケットなど等。

やはり、機能からくるデザインは美しいものが多く、特にそのバックスタイルは素晴らしいの一言。
試着をして自分の後姿を鏡に映すと、自分で自分に惚れてしまいそうです。

モダンなプロポーションに仕上げてありますので、伝統的な男らしさと現代的なテイストがうまくミックスされました。

素材はペルー産、ウールアルパカのヴィンテージ素材。

まぁ、これ以上のジャケットは、おそらくないな・・

昨日、ナポリよりルカベルディッキオのジャケットが到着しました。

箱を開けて商品を出してみます。
まず、オーダー通りの仕様に仕上がっているかどうかチェック、そして個々の商品に問題がないかどうか調べます。

この時点ではまだ試着はせずに、自分がチョイスした生地が良かったのかどうか、全体のプロポーションやバランスをよくみて、その商品の仕上がりの「感じ」を掴みます。

やはり今一つの仕上がりのものはどこか気になる点が出てくるもので、こうやってみているだけで大体の感覚が掴めるということは人間の「眼」というものは本当に素晴らしいものだなと感心します。

とりあえず、送られてきた梱包資材は総てかたずけました。
商品に掛っていたビニールは外されて、店内のメインの場所にきれいに並べ終わりました。

さて、一つ深呼吸をすると自分のサイズを選びだして袖を通します。
肩をきちんと上着の肩に入れ、前ボタンを留めて鏡の前へ・・・

まぁ商品を試着して「ニマニマ笑い」が出ることはそうあることではありません。
「ルカ、やっぱ君は才能あるわ！」

ということで６か月の努力は一応、一件落着、素材を探して吟味してナポリへ送り、何ヶ月かしてジャケットになって送られてくる。

一着、２５万円は確かに高い、でもそれだけの価値が十分にあるくらいの努力や感性や丁寧な仕事が注がれている商品だと感じるし、また、そういうものに価値を見出してくれる人がいる世界というものは本当にいいな、と思います。

あっそうか、まだこれを売らなくては・・

P.S.
ルカベルディッキオのオーダーをして頂いたお客様は、いましばらくお待ちくださいませ。
オーダー品とコートは１０月１０日ナポリ出荷の予定です。

　これはよく聞く話なのですが、たとえばシャツを頼むとか、ジャケットをオーダーしようとかで、生地ブックをめくりながら色々見ていたりすると、けっこうこれがストレスの解消になるのですね。

おそらく脳の働く部分が違うので、ふだんの生活でストレスを貯めこんでいる部分をリラックスさせるのかもしれません。

小さな生地から製品の出来上がりを想像することは、これがなかなかむずかしい作業で、平面的な小さい面積のものから立体的な大きい面積なものがどのようになるのか？と想像することはなかなかにクリエイティヴなことなのです。

そして、さらにその色や柄が自分に似合うのか？自分の手持ちの服とのコーディネイトはどうなるのか？生地のタッチや厚みは？などなど、視覚、触覚、想像力を駆使していると思わず別の世界に入り込んでしまい、抱えているストレスもいつの間にかどこへやら・・・

洋服選びが楽しいのは多分にこういう側面があるからだと感じています。
煮詰まったり、てんぱったり、落ち込んだりしたときは、お気に入りの洋服屋にいって、自分の服の生地選びをするのがおススメです。

　そろそろ秋冬物に総入れ替えをしようと考えているのですが、なかなか踏ん切りがつきません。

まず、一番の問題はわたしの気持ちにあるようで、「洋服や たるものお盆を過ぎたら秋冬物だぜ。」などとうそぶいてはみるものの、朝、クローゼットから引っ張り出すのは相変わらずロータのショーツにフェデリのポロシャツ。

もちろん店に来て着替えてはいるのですが、まだ、ジャケットを着るまでには至っていません。
天気予報をチェックしたら、気温は32度・30度・31度・31度・・

しかし、そろそろやはり気持ちを切り替えなくては、ちょうどいい区切りだし、今週末に総入れ替えだ。
来週からはジャケット着用・・もうちょっと真面目にやれよ！わたし。

という原稿を書いていたら雨が降り出した。
雨が上がったら、虫の音が・・・
そろそろ「秋」到来か？

しかし、今年の夏は引きずるなぁ～