FC2ブログ

STEVE BLOG 洋服の着方

青山のセレクトショップのオーナーが書くメンズファッションを話題の中心にした日記

サビーノさんのこと

 カサルヌォーヴォはナポリ郊外の街です。
テーラーの街としても知られていてテーラーから始まった著名な紳士服メーカーがたくさんある街でもあります。ナポリ中心での待ち合わせにはいつも必ず20分遅れで息子のミケーレが車で迎えに来てくれます。彼の持論はカサルヌォーヴォにある工場とナポリの中心は車で20分の距離であるというもので、ナポリ中心の交通渋滞で高速に乗るまでにすでに15分は経っているのに、高速に乗ると人が変わったように飛ばし始め、私にかなり怖い思いをさせた後で、高速の出口で時計を見て「ほら20分だったろう」といいます。本当はそこから工場まではまだ5分はゆうにかかるのですが・・・

さて私の好きなメーカー サルトリアサビーノに到着です。お父さんのパスクァーレさんは、ナポリの紳士服職人のイメージを具現化したような方で決して私の期待を裏切りません。常に紳士服に対する情熱に溢れていて、こちらの細かい要望にも真摯な姿勢で解決策を見つけてくれます。常に工場で黙々と仕事をしている姿や休み時間にみんなとトランプに興じている姿、新しいモデルについて得々と説明をしてくれる姿など、私の中ではこれ以上ないカッコよさです。
もちろん男前の国イタリアですから表面的にハンサムでオシャレな人はたくさん見かけるのですが、彼のように内面のカッコよさが人柄の良さともに現れてくる男性にはなかなかお目にかかれません。自分にとっては一つの男性の理想的な姿であるようにも思えるのです。

打ち合わせと発注を終えると工場の隅のスペースで一緒に賄いのパスタをご馳走になり工場を後にします。今の時代やこれからのメンズウェアのことを考えてもこういう服が生き残っていくのはなかなか大変な気がするのですが、逆にこういう服が生き残れないメンズウェアの世界にはもう愛想を尽かすことになるのかもしれません。


IMG_0053_convert_20100223185036.jpg
  1. 2010/02/23(火) 18:53:47|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ベニスに死す

 別に「ベニスに死す」といってもたいしたことがあったわけでもなく、ただ今回はひどい風邪をひきました。冬場のヨーロッパ出張は気をつけないとよくやられるのです。

まず、ホテルの部屋が非常に乾燥している、これでまず喉をやられます。おまけに今回はベニスの前の滞在先であったフィレンツェのホテルの部屋が寒かった。これが喉の痛みをさらに悪化させ、かといってスケジュールを変更するほどひどくはないのでいつもように過ごしていると、症状が日に日に悪化、ベネツィアについたときにはおそらく熱も出ていたのだと思います。ベネツィアのホテルがこんどはまた暑い、強烈な熱風が部屋の中を渦巻き、夜は窓を開けていなくては寝付けません。いちおう調節のスイッチはついているのですが弱くなる気配はまったくありません。

しかし翌日も意地になって予定は変えずに行動していると、だんだんおかしくなってきて、ただでさえ迷路のようなヴェネツィアの街中を朦朧としながら徘徊していました。
角を曲がると見覚えのある路地ばかりが続きぜんぜん目的地にたどり着けません。持ってきた風邪薬はあらゆる種類のものをすべて飲みつくしてしまい、薬袋に残っているのはバイアグラのみ、あまりにひどいのでひょっとして症状を忘れられるかもしれないとバイアグラも飲もうとしたのですが危うく思いとどまりました。

頭の中ではこれは本当にやばいぞと思っているのですが変にハイテンションのためホテルに戻ろうという気になりません。咳き込みながらも歩き続けているうちに一軒のレストランにたどり着きました。

なにしろ寒かったので暖かいスープが飲みたかったのです。そして、頼んだのが写真の「魚のスープ」です。不思議なことなのですがこのスープを食べ進むうちに症状が軽くなってきました。気分が落ち着き、まるで色々な種類の魚のエキスがわたしを救ってくれたようです。咳はおさまり、朦朧としていた意識もしっかりしてきました。
すっかり調子に乗った私は「イカ墨のスパゲッティ」まで食べてしまいました。海に囲まれた街ベネツィアで海の力によって救われた私は次の日にはミラノに移動してまた大活躍するのでした。おわり


繝吶ロ繝・ぅ繧「縲?鬲壹・繧ケ繝シ繝誉convert_20100218160119


  1. 2010/02/18(木) 16:05:11|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

リスボン特急

 訪れた友人の評判がやたら良かったため、私もリスボンに行ってきました。
知っているポルトガル語は「オブリガード」のみ、あいさつもままならない国に一人で乗り込むというのもたまには良いもので、見知らぬ土地での自分の異邦人ぶりを自覚するのもまた一興です。

さて、初めて訪れたリスボンは気候も人も暖かいノスタルジックな街でした。
古いものがそのままかわらずに残っていてそれが普通に機能しています。
老人がやたらに元気でたくさんいて、主な市内の交通機関である路面電車やケーブルカーは老人の独壇場、お買い物帰りのおばあちゃんを乗せたケーブルカーがゴトゴトと坂を上がっていきます。

市内にあるケーブルカーは3路線、なかでもビカ線が気に入りました。ブリキのような外装にかわいらしい佇まい。今まで見た乗り物の中でも一番かもしれません。眼下に海が見える車窓の風景も最高で2往復もしてしまいました。

まるで「3丁目の夕日」のような街がリスボンでした。


IMG_0476_convert_20100209162710.jpg
  1. 2010/02/09(火) 16:31:46|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

リスボンのスリ

 坂の街リスボンでは路面電車が主な公共交通機関のひとつです。
その路面電車に揺られながらボーッとしていました。ポルトガルはとても治安が良い国だから安心していたわけではないのです。ただ、つり革につかまって車窓の街並みや車内の広告を眺めていました。

「ポケットにご用心!」こんな注意書を見ても「へースリなんかいるんだぁ?」くらいにしか思っていなかったのです。なにか車内が急に混んできたと思ったら私と私がつかまっているつり革の間を、つまり私の腕の所を強引に通ろうとするおじさんが一人、仕方がないので体をひねって通してあげると、アレレレレ、私のコートの右ポケットに誰かの手が入ってもぞもぞやっている・・・私のコートはサルトリアレオナルディの一枚仕立て、裏地がついていないのでこういう時は敏感に感じます。すぐに逆方向に体をひねって手が出ていたあたりを見ると、あきらかに怪しいおじさんが、雨も降っていないのに黒い折りたたみ傘をもったまま私にむかって「ソリーソリー アイムソリー」といいながら後ずさっていきます。

「このおじさんスリだ!!」間違いありません。このおじさんが私のコートのポケットに手を入れてきたのです。
その時です。路面電車の警笛が何度もけたたましく鳴り始めました。見ると路上駐車の前に車が立ち往生、そこに無理やり通ろうとした別な車がきてもうにっちもさっちも行かなくなっています。また、警笛が激しくなり車内の注意はみんなそちらの方へ・・・

気がつくとなにもとれなかったスリ3人組はそそくさと路面電車を降りていきます。そして反対側の乗り場へ・・カメラを取り出した私は3人組の写真をパチリ。私のポケットに手を入れてきたおじさんは私の顔を見るとニヤリと笑って手で顔を隠しました。

どこか憎めないリスボンのスリ3人組です。
チャウ


繝ェ繧ケ繝懊Φ縺ョ繧ケ繝ェ3莠コ邨Юconvert_20100203163150

  1. 2010/02/03(水) 16:36:02|
  2. お薦め記事
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

プロフィール

kamakuraya690

Author:kamakuraya690
2005年、8月に青山にメンズインポートウェアのブティックがオープン致しました。
オーナーでバイヤーでもある私が商品の紹介やファッションに関する話題、海外出張での情報などをお知らせいたします。
ぜひご一読ください。

STEVE 石内良樹

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる