FC2ブログ

STEVE BLOG 洋服の着方

青山のセレクトショップのオーナーが書くメンズファッションを話題の中心にした日記

外部性

 一つのメーカーが業績を伸ばしていくと、若しくはいくために、おおむね次のような道筋を辿っていきます。一つのアイテムを完全に自社工場で作っていたのが一部の工程を外部に委託するようになります。仕事量が増えるにつれて外部委託は増え続け経営者はある日考えます。「自分で工場を維持していくよりもデザインや企画だけを自分たちで行い生産はすべて外部委託にしたほうが色々な意味で良さそうだぞ。」

さらに業績が良くなり自分のレーベルの認知度が上がってくるとこんどはこう考えます。「こんなに有名になったのだから一つのアイテムを作っているだけではなく、もっと色々なものを作ろう。生産は外部に委託するわけだからどんなものでも作らせることができるぞ」と。そうしてブランド戦略というものが始まります。そこには自分たちと共通の世界観を持つパートナーが存在していて、「品質は自社工場だったときとまったくかわらない」という触れ込みになります。本当にそうでしょうか?

長い間この仕事をしてきていくつものメーカーから買付けをしていると、このような話があまりにも多すぎて正直うんざりします。結局は自分が作っている品物への愛情や愛着、自分の仕事への誇りや責任といったことになるのかもしれません。私が見る限り商品の品質はやはり当初の自社工場のときが一番良いし、商品に対する愛着や責任感もこの道筋を進めば進むほど薄くなるような気がします。

企業というものは利益を追求するのが一番の目的ですから、そこに色々な人々の思惑が絡まってきて、規模が大きくなればなるほど出来上がる品物は私の店で売りたい商品とはかけ離れていきます。もう、私はある程度の年齢ですし洋服が大好きなのでありきたりのものではなく特別な何かがある商品を着たいし売りたいのです。

さて、ということで映画の紹介です。
経済消費大国で、ファストファッションが花盛り、メディアが強大な力を持っている日本という国に暮らしている現代人にとっては見ておくべき映画の一つであるように感じています。
「ザ コーポレーション」 http://www.uplink.co.jp/corporation/
おススメです。


IMG_0020_convert_20091224180834.jpg



  1. 2009/12/24(木) 18:13:30|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

色の話

 誰にでも好きな色や似合う色があります。その色が自分にとってオブセッションになっていることがあり、その色のセーター、もしくは同じ配色のネクタイなどを繰り返し買うことになります。

売るほうとしては「この人の色はこの色だな」というものを見つけると意識してその色の商品を薦めたりします。「その色」といえば人によってほんとうに様ざま、オレンジがかった赤やすこしブルーに近い紺、真っ白、少しいやらしいパープルなどなど・・

「その色」というのはどこで決まってくるのか?生まれ付いてのものなのか、それともその人の生い立ちに深く関係している後天的なものなのか、生まれた初めて見た色や子供時代によく着せられた洋服の色が「その色」になっていたりして・・

自分といえば家のワードローブを開けてみるとほぼ同じ色のものを買い続けていました。特に赤と紺のコンビネーションとブルーとグレイのコンビネーションに弱いらしく同じような洋服ばかりが並んでいます。

でも不思議とその色ばかりを着ているためか自分には似合う色になっているようです。洋服屋としては、たまには少し違う色にチャレンジしてみなくては、今度黒でも着てみようかな・・

あなたにとっての「その色」は何色ですか?


IMG_2925_convert_20091219143332.jpg


  1. 2009/12/19(土) 14:36:26|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

色の名前

 とてもよくあるお問合せに「その商品は何色ですか?」というものがあります。
そのときはできるだけ正確にわたしに見えている色を言葉で表現しようとするのですが、これがなかなか難しい。
たとえば「えーそれはグレーがかったネイビーで外光で見ると全体が薄く見えます。」「パッと見は黒に見えるのですが黒と比べると明らかにブルー系でいわゆるミッドナイトブルーってやつですかね。」「ブルーとグリーンとグレーを合わせたような色です。」・・・・

色というものは絶対的なものではなく、その場所の背景の色、明かりの強さ・種類、人間の目の状態によって変わるそうです。つまり色は変わるのです。時間・場所・見る人によってその色は変化していきます。そして自分の目で見ている色を言葉に置き換えて人に伝えるという作業は簡単なものではありません。とくにうちで扱っている商品の色は、非常に微妙なものが多く、品物の素材によっても変わってきます。(革製品などは品物ごとに微妙に色目が違うようにも感じます。)

そんななかでお互いに共通の認識を持つために独特の色の名前を使うことは意外に有効です。たとえば「桜色」「ウグイス色」「レモンイエロー」「消し炭色」「群青色」「小豆色」などなど、植物や動物、そのほかの森羅万象からとった色の名前を使うことによって、その色が生き生きと表現できるということがあります。それは単に色の名前ではなくその色自体が持つ独特の風合いや色味というものを表現するうまい手段の一つだと思います。

そしてこんどは自分たちで勝手に色の名前をつけたりします。おなじ紺でも薄いものを「ナポリブルー」(実際ナポリのメーカーではこの紺がよく使われます。)濃いものを「ミラノブルー」(ミラネーゼが好む濃い紺です。)
そしてその色がわたしたちの間で共通の認識となればもうそこに色の名前が生まれるのです。

色は絶対的なものではない、そして数え切れないほど色はあるのです。色にすてきな名前をつけることによってその色が深みを帯びて自分の中でより素敵に見えてくるかもしれません。


IMG_0321_convert_20091208190243.jpg




  1. 2009/12/08(火) 19:07:36|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ヴェネツィアのネオン

 「ヴェネツィアは冬がいいわよ、夏は人が多いし、匂うし、行くなら冬ね。とってもロマンチック・・」といわれてヴェネツィアにはじめていったのが10年前、それ以来なぜか冬にばかり行っています。冬のヴェネツィアは確かにロマンチック、雨上がりのサンマルコ広場なんか映画の中みたいだし、寒い中を肩をすぼめて路地から路地へと散策するのもとってもたのしい。

 なぜかそこらじゅうにネオンのような電飾が飾られています。とてもチープな感じなのだけれど不思議とヴェネツィアの街並みに似合っていて、頭の中のヴェネツィアの風景には必ずこのネオンが登場します。サンマルコ広場からぶらぶらとアカデミア美術館まで歩き、タベルナでランチ、あっという間に日が暮れてきてサンマルコ広場のカフェでホットチョコレートをのんでまったりしながら、さっき見たヴェネツィアングラスを買おうかどうしようか迷っているともうすぐミラノに帰る列車の時間です。

 いつも駅まで走ります。くるときはそれほど感じなかった道がやけに遠く感じて、おまけに途中で道を間違えるともう最悪、迷路から抜け出せません。いつもぎりぎりで駅にたどり着くと列車はすぐにミラノに向けて動き出します。
また行きたいな~冬のヴェネツィア。


IMG_0258_convert_20091202190830.jpg


  1. 2009/12/02(水) 19:12:37|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

kamakuraya690

Author:kamakuraya690
2005年、8月に青山にメンズインポートウェアのブティックがオープン致しました。
オーナーでバイヤーでもある私が商品の紹介やファッションに関する話題、海外出張での情報などをお知らせいたします。
ぜひご一読ください。

STEVE 石内良樹

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる